バイク用のリチウムイオンバッテリーを考える

はじめに

どうも、かとうです。

サーキット走行を本格的に始め、車両をレーサーにして運用し始めると、少しでも車体を軽くしたくなってくるものですよね。

純正マフラーをフルエキに変えて、タンデムステップを取り外し、純正カウルをレーサーカウルに変えてしまうと、他に重量を削れるところってほとんど残されていませんよね。

そこからさらに重量を削るとしたらバッテリーが矛先にあがってきます。
純正バッテリーは通常鉛蓄電池が使われているので、非常に重く、リチウムイオンバッテリーに変えることで大幅な軽量化が望めます。

今回はこうしたバイクのバッテリーについてまとめようと思います。

鉛バッテリー

鉛バッテリーの特徴

鉛バッテリーの特徴としては安価、安全性・信頼性が高い、重い入手性が良いといった特徴があります。
こうした特徴から、純正バッテリーは一部スポーツ車両を除いてほとんどの場合は鉛バッテリーを採用しています。

ちなみに重量的には下のほうで紹介しているバッテリーでいうと2.9kgなのでリチウムバッテリーに比べると2~3倍くらい重さがあります。

放電時の仕組みとしては下図の通りです。充電時は逆の流れになりますね。
鉛の原子番号は82番で比重は11.34 g/cm3。なのでどうしてもバッテリーとしては重くなります。

鉛バッテリーの価格

鉛バッテリーメーカーの雄といえばGSユアサ。
バイクや自動車の純正バッテリーとしてもひろく採用されており、品質はピカイチ。
ちょっと価格は高め。(¥9,900 2022年9月3日現在)

GSユアサの純正バッテリーよりも、台湾ユアサのバッテリーのほうが半額程度(¥5,158 2022年9月3日現在)ですので安く手に入ります。
ただ、やはり品質的にはGSユアサのものに劣るというレビューもありますね。品質をとるか、価格をとるかで選べばよいと思います。

リチウムイオンバッテリー

リチウムイオンバッテリーの特徴

リチウムイオンバッテリーの特徴としてはなんといっても軽いというところです。ほかにも自然放電が少ないという特徴もあります。価格は鉛バッテリーよりはどうしても高くなりがちですね。

また、ひとことにリチウムイオン電池といっても陽極材になにを使うかで、細かく言うといろんな種類がありますが、バイクでは比較的安全性の高いLiFePO4(リン酸鉄リチウム)を使用したバッテリーが一般的ですね。

当たり前だけど、安全性とエネルギー密度は背反するところがあって、バイクの場合はスマホとかのモバイル機器程コンパクトさが必要でないので安全性を重視してエネルギー密度的には不利なリン酸鉄リチウムを使用しています。
一般にLifeバッテリーと呼ばれたりしています。

放電時の仕組みとしては下図の通りです。充電時は逆の流れになりますね。
リチウムの原子番号は3、比重は0.534 g/cm3なので軽いバッテリーが作れます。

リチウムイオンバッテリーのメーカー

バイク用リチウムイオンバッテリーの主要ブランドをご紹介します。

なお、リンクを貼っているバッテリーはあくまでもひとつの型番だけですので、ご自分のバイクに合うバッテリーの適合型番は必ずご自身で調べてください。

AZ

バッテリー上面にLEDのインジケータがついていてFULL/ MED/ LOWの3段階でバッテリー残量がわかります。
また、BMS(バッテリーマネージメントシステム)が内部に搭載されており、各セル電圧のばらつき制御を行いバッテリー寿命を伸ばしてくれるらしいです。
重量はこまかいところは分からないですがAmazonの商品詳細欄によると700gとありますね。
値段は¥15,495(2022年9月3日現在)

近所の2りんかんでも取り扱っているので、それなりに信頼していい商品なんじゃないかと思います。

SHORAI

以下の型番のものは重量1.12kgなのでほかのリチウムバッテリーに比べると若干だけど重いみたいです。
メーカーによると信頼性には自信があるみたい。BMS(バッテリーマネージメントシステム)もちゃんと積んでますね。
値段は¥27,478(2022年9月3日現在)

スカイリッチ

スカイリッチのバッテリーも、バッテリー上面にLEDのインジケータがついていてFULL/ MED/ LOWの3段階でバッテリー残量がわかります。BMS(バッテリーマネージメントシステム)もちゃんと積んでます。
以下型番の重量は780g。レビュー数的にはスカイリッチは結構人気っぽいですね。人柱になりたくないひとはこれが良さそう。
値段は¥16,900(2022年9月3日現在)

バッテリーの外し方

みなさんご存知と思いますが、バッテリーを外すときは順序がありますので気を付けてください。

外すときの手順としては、先にマイナス(黒)を外し、次にプラス(赤)を外します。

取り付ける時はその逆で、先にプラスをつけ、次にマイナスを付けます。
間違えると短絡(ショート)させてしまうリスクがありますのでご注意ください。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

本格的にサーキットを走りはじめて、バイクを仕上げていくと、バッテリーの軽量化はかなり魅力的に見えてくるかと思います。

もうこれ以上軽量化できるところがない!だけどもっと軽くしたい!という人はリチウムイオンバッテリーも検討してみても面白いですね。

ただ、いくら安全なリン酸鉄リチウムイオンバッテリーといえど、安全性や信頼性はやはり長年の実績のある鉛蓄電池も負けていません。信頼性を重視する人はあえて鉛蓄電池のまま、という選択肢もありかもしれません。

ちなみになにを隠そう、私は格安中華リチウムバッテリーで痛い目を見ています。まあ私の運用が悪かったというのもあるんですが…。お金をケチって¥9,000の格安中華リチウムをZX-6Rに積んでいたことがあったんですが、鈴鹿ツインサーキットのストレートで全開にした瞬間にバッテリーが白煙をあげて破裂して、死ぬかとおもったことがあります。(おそらく過充電状態になってしまって、アクセル全開時の電圧に耐えられなかったようです。)

安すぎるリチウム電池には注意しましょう。