目次
はじめに
どうも、かとうです。
実は今年の夏、新しいバイクを買いました。
ヤマハのMT-01です。このバイクは2006年にヤマハが海外向けに発売した、現在は絶版車となっている一台で、現在も続くMTシリーズの元祖となるモデルです。
MT-01の特徴はなんといっても、搭載しているエンジン。
アメリカンクルーザーであるXV1700の1670ccVツインエンジンをネイキッドスポーツバイクに搭載したという、非常に変わり種の一台です。
今回はこのMT-01のインプレッションをしていきます。
バイク選びで重視したところ。
わたしが今回のバイク選びで重視したところは以下の6点です。MT-01はこれらすべてを満たしてくれると感じました。
- 十分な加速力がある
- 維持費・ランニングコストが安い
- ゆっくり走ることが苦痛ではない
- 長距離乗っても疲れにくい
- 時間が経っても古く感じにくいデザイン
- あまり人とかぶらない
MT-01は伊達に1670ccの排気量があるわけではないので、アクセルを開けた時の怒涛の加速には文句ありません。また、国産車であるため部品もそれほど高くなく、タイヤなども汎用的なものが使用できランニングコストも安いです。
大排気量Vツインエンジンはドコドコとゆっくり走ることも苦痛でないし、どっしりとした走りは高速道路を長時間巡行しても疲れることもありません。また、MT-01はほかにはないデザインを有しており、レア車両なので人とかぶることも、まずありません。
この記事ではこれらのいい点を具体的に紹介していこうと思います。
MT-01の外観
まずはMT-01の外観を見ていきましょう。
右側面から。
どでかいVツインエンジンと二本のエキパイが特徴的。
テールセクションまでズドンと伸びるアップマフラー
黒い樹脂製のカバーでおおわれているので熱くはありません。
左側はこんな感じ。
右側に比べるとシンプル。ドライサンプなのでオイルタンクがついています。
好みの分かれるフロントフェイス。
だるまをさかさまにした形、とかムンクの叫びフェイスって呼ばれています。
わたしは嫌いじゃない。
いいところ
それではMT-01のいいところを具体的にレビューしていきます。
特徴的なデザイン
MT-01をMT-01たらしめている一番の特徴はエンジンです。極太のプッシュロッドカバーとエキパイが存在感を主張します。エンジンがこれでもかと主張しているこのデザインは、アメリカンとネイキッドの迫力をいいとこどりしたような魅力があり、ほかのバイクにはマネできません。
また、二本の極太のアップマフラーがリアセクションに向けてズドンと生えています。
排気音は純正マフラーとは思えないくらい結構大きい。
近所迷惑になるので、このマフラーを社外マフラーに変えようとは思いません。もっと静かでもいいくらい
このエンジンが怒涛の低速トルク型であることを示唆している特徴的なメーター。
アナログのタコメータとデジタルのスピードメータの組み合わせです。とっても見やすい。
レッドゾーンは5,500回転以上。
昼間は黒背景に白文字の文字盤ですが、夜は白背景に黒文字の文字盤になります。どういう仕組みで切り替わっているのか謎。
足回りの出来がいい
MT-01は発売当時のYZF-R1と足回り(サスペンションやブレーキ)してを共通にしています。
さすが、フラッグシップのリッターSSと同じものを使用しているだけあって文句なしの性能でした。
それなりの速度域でバンピーな路面に突入してもすっといなしてくれる。
ブレーキについてもR1譲りのラジアルマウント4ポットキャリパー、ダブルディスクを装備していて、必要十分な制動力があります。車重がある分、スーパースポーツのようにいつでもジャックナイフが自由自在にできるよっていうような強烈な制動力があるわけではないです。ですが、エンジンの特性的に目を三角形にしてつっこんだ走りをするバイクではないので、車体のキャラクターからしたら、過不足のない、ぴったりの制動力です。
今後パッドを変えたりしたらまた印象が変わるかもしれないので、それも楽しみです。
ゆっくり走っても楽しい鼓動感がある
このエンジンがとても絶妙で、いざ回すとドカンという加速力を生みますが、そんなにかっとばしたくなくなる、ゆっくりとドカドカ走るのが楽しいエンジンです。
おいしいところは2,000rpmくらい。1,500rpmを切るとぎくしゃくしてしまうので、2,000rpmくらいをキープしてゆったり走るのがとっても気持ちいいです。
ミッションは5速ですが、一般道では4速までしか使いません。5速は70~80km/h以上でないとぎくしゃくするので、ほぼ高速専用ですね。
街中は基本3速くらいが多いかも。買う前は6速じゃないのかぁって思っていましたが、トルク感がすごいのでグイグイ加速してくれて、5速ミッションでもまったく気になりません。
ライダーに対して、エンジンが速く走るようにせかしてくる、なんてことが全然ない。それがとってもストレスのないライドにつながっている気がします。ワインディングでゆっくり走る車につかまってしまっても、全然ストレスを感じずに楽しめる、そんな車体です。
加速力
さすがに1670ccもあるVツインを積んでいるだけあって、怒涛の加速力です。
ただ、上まで回るようなマルチとはまったく違って、すぐに頭打ちはしてしまいます。マルチのスーパースポーツなんかは低回転からスロットルをガバ開けしても、意外と初速のパンチ力はなくってその代わりに、「どこまで回転があがっていくのっ!?」っていうような上限知らずの伸びがすごかったりしますが、MT-01はまったくその逆ですね。
ボディブローみたいな強烈な瞬発力です。
四輪でいうと、ピックアップトラックのエンジンを載せてマッスルカーであるダッヂバイパーみたいな、そんな力強さのある一台です。バイパー乗ったことないから知らないですけど。
疲れにくいシート
足つきは悪いです。175cmの私でもかかとが若干浮きます。
ヤマハ車にはよくあることですが、欧米人の体格にターゲットを合わせて作っている感じですね。
シート高が825mmあるので、シート自体が高いのはもちろんですが、シート幅もあるのでなおのこと足つきが悪く感じます。
数値上はもっとシート高いはずのZX-6R(830mm)よりも体感的には高いかもしれません。
でもこのシートが絶妙な出来で、しっかりとおしりを支えてくれて、かなりの長時間乗っていてもおしりや腰が痛くなることはありません。また、ポジションが軽い前傾になっていることも長時間走行をものすごく快適にしてくれています。
わるいところ
重い
車重が重いのはもちろんだけれども、クラッチもスロットルも重い…。
とくにスロットルが重いのはきついですね。慣れないうちは右腕がパンパンになりました。
スロットルロッカーを着けるとだいぶマシになるけれど、タイトコーナーの連続となるようなところで、ペースの早めの走りをするとちょっと邪魔になるというか、スロットルロッカーの存在が気になるんですよねぇ。
でも、ゆったり走る分には気にならないです。
アクセルが重くない車両でも、長距離走る場合はスロットルロッカーはおすすめ。
とくに北海道ツーリングとかのアクセルを一定に保ち続けるようなツーリングでは疲労が如実に変わります
航続距離が短い
タンク容量が15Lで、リザーブが3Lなので燃料警告灯がつくまでに使用できるのが12L。
燃費は大体18km/Lくらいなので、おおよそ200kmくらいで給油する必要があります。
これは結構短い…。300kmくらいあるといいんですけどねぇ。
燃料計はないです。でも、フューエルトリップがあるのはありがたい。フューエルトリップは燃料警告灯が点灯してからの走行距離を表示してくれるので、警告灯がいつついたのかわからなくって、気づいたら点灯してからだいぶ走っていて燃料切れ寸前、なんてトラブルがなくなります。
おわりに …不世出の一台
この一台を一言で形容するとしたら…不世出の一台、ということばがぴったりと思います。
もうこんなバイク二度と出てこない、という言葉をいうMT-01オーナーが多いのは、とてもよく理解できます。
部品が出る限り、壊れても補修して乗り続けたくなるような、ヤマハの誇る名車のひとつだと思います。
今回のインプレッションが誰かの参考になれば幸いです。