サーキットを走るときにしたいワイヤリングの方法

はじめに

どうも、かとうです。

今回は、サーキットを走るときにしたい、ワイヤリングの方法をご紹介いたします。

ねじや部品の脱落防止として実施するワイヤリングは、サーキットによっては強く推奨されていたり場合によっては必須であったりします。

私が走行している鈴鹿ツインサーキットでは一部の早いクラスでは「必須」、それ以外のクラスでは「強く推奨」、となっています。ご自分の走られるサーキットの規定を確認してみてください。

参考 鈴鹿ツインサーキットのワイヤリング規定【重要!】2輪走行されるお客様へ

ワイヤリングをする目的

つぎに、ワイヤリングを行う目的をふたつご紹介いたします。

緩まないようにするため

ワイヤリングを行う意味で最も大きなものは、ボルトのゆるみ・脱落を防ぐというところにあります。バイクは自動車に比べると、車両の振動も大きく、また転倒などでもボルトが比較的緩みやすい環境がそろっていると言えます。

ワイヤーでしっかりとボルトを固定することで緩まないようにする、緩んでも脱落に至らないようにすることができます。

確実にボルトを締めたことを確認するため

整備で危険な行為に、「仮締めした状態のまま忘れて走ってしまう」ということがあります。ワイヤリングを行うことで「このねじは本締めしたんだ」という目印にすることができます。特に、ブレーキキャリパーボルトのワイヤリングでは、この目的も大きいと言えます。

ワイヤリングをする場所

ワイヤリングを行う場所は「ゆるんだときに重篤な事故につながる場所」です。

とくにオイルまわりは厳重にワイヤリングを行います。2017年に岡山国際サーキットで、前走車両によってまかれたオイルにのって転倒し二人なくなるという事故が起こっています。その事故はワイヤリングをしていたら防げた事故というわけではないのですが、オイルをまいてしまうことは重大な事故につながりうるんだということを意識してください。

実際、サーキットを走っているとコース上に石灰がまかれていることが良くあります。鈴鹿ツインなんかは三回に一回くらいは石灰がまかれているような気がします…。みんなワイヤリングしてないんですかね。本当に残念です。

  • 必須箇所
    • オイルフィラーキャップ
    • オイルドレインボルト
  • やる人はやる箇所
    • フロントキャリパーボルト
    • グリップ
    • その他

ワイヤリングに必要な道具

ワイヤーツイスター

ワイヤーをねじるための工具です。ラジオペンチやプライヤーでつかんで地道にねじってもよいですが、ワイヤーツイスターがあると圧倒的に早いです。それほど高くありませんので、是非そろえましょう。

ワイヤー

kitakoからバイクワイヤリング用ワイヤーとして売られている0.57mmのものがいろいろな箇所に使いやすい太さで、おすすめです。

ワイヤリングブラケット

ワイヤーを 車両側に固定するためのブラケットです。エンジンカバーを止めているM6ねじ等と共締めして、取り付けることになります。

ワイヤリング穴付きドレインボルト/フィラーキャップ

これは正直、必須ではないです。オイルフィラーキャップも、オイルドレインボルトも、ドリルを持っていれば自分で穴をあければ事足ります。ただし、オイルドレインボルトの穴あけが結構大変なのと、ドリル自体もっていないよ、という人もいるかもしれませんので、そういった方は穴の開いているフィラーキャップやドレインボルトを購入すると手間がかからずに楽です。ご自分の車両のボルト・キャップのサイズを調べて買いましょう。

ワイヤリングの方法

ワイヤリングの方法として、上図のOKの例のように、必ずボルトが締まる方向にワイヤーをかけるようにしてください。NGの例ではボルトが緩むほうにワイヤーをかけていますので、せっかくのワイヤリングが逆効果となってしまいます。

ワイヤーツイスターの使い方に関しては、文字で説明するより、実際に見たほうが分かりやすいかと思いますので、わかりやすく紹介してくださっているYoutube動画をご紹介しようと思います。

最後に、切断端面処理だけは確実にしてください。私は一度うっかり切りっぱなしで、しっかり処理をしていなかったことがあるんですが、車体を洗車しているときに鋭利な端面で手をざっくりと切ってしまったことがあります。特にグリップをワイヤリングするときは、端面をグリップ内に埋め込むような曲げ処理を必ずしてください。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

実用的な面以外も、ワイヤリングされている車両はレーサーのようで、とてもかっこいいと思います。

ただ、バイク屋さんにオイル交換を頼んだりするさいは、面倒がられることもあるかもしれません。そのときは事前にワイヤリングを解除して持って行くとバイク屋さんとしても助かると思います。

サーキットを走る方、走らない方問わず、みなさんぜひワイヤリングに挑戦してみてください。