目次
はじめに
どうも、かとうです。
今回は公道でハイグリップタイヤを履くことに関して、議論したいと思います。
タイヤに関しては考え方がいろいろとあり、公道でも「転ばぬ先の杖」としてハイグリップタイヤを履いたほうがいいというご意見があることも承知しています。
しかし、私は基本的にハイグリップタイヤで公道を走る際は注意が必要と思っていますし、こと冬季に限定してしまえばハイグリップタイヤを公道で履かないほうが良いと考えています。
その理由をご説明します。
公道でハイグリップタイヤを履くときに注意が必要な理由
温度依存性が高い
正直なところ、この温度依存性が、私がハイグリップタイヤを公道で履く際に注意しないといけないと思っている理由のすべてといっても過言ではありません。
ツーリングタイヤとハイグリップタイヤでは、開発時に想定している使用温度が異なり、最高のパフォーマンスを発揮する、狙っている温度域が違います。
以下はタイヤグリップ力とタイヤ温度のイメージ図です。
絶対的な最高グリップ力はハイグリップタイヤが勝りますが、低温域に関してはツーリングタイヤのほうがグリップ力が高いです。
ハイグリップタイヤは温まるまでグリップしないとよく言われていますが、その通りで、冷えているときのハイグリップタイヤは本当にカチコチです。
そしてとくに、冬季の路面温度が低い期間に関しては通常のツーリングをしている限り、ハイグリップタイヤがツーリングタイヤのグリップ力を上回る温度域までタイヤが温まることがありません。
ハイグリップのタイヤになるほど、タイヤウォーマ―の使用を前提としている設計となっています。
排水性が悪い
ツーリングタイヤとハイグリップタイヤでパターン(溝)を比較すると、明らかにツーリングタイヤのほうが溝が多いですよね。
レースをするようなタイヤになると、雨用タイヤ(レインタイヤ)と晴天用タイヤ(ドライタイヤ)に明確に分かれていますし、ハイグリップタイヤになるほど、「レイン性能」を捨てています。
公道でツーリングに出ていると不意の雨に遭遇することもあります。
その時に安全に走ることを考えると、不意の雨に対応できるツーリングタイヤのほうに軍配があがることが多々あります。
価格が高い。ライフが短い。
ハイグリップタイヤの特徴に価格が高い、ライフが短いというのがあります。
公道ではタイヤの中央ばかりが優先的に減っていくことになり、高価なハイグリップタイヤではもったいないという側面があります。
ただし、これは使う人の財力によってとらえ方が異なりますので、積極な理由としてはあげません。
それでもハイグリップタイヤで公道を走りたいときは
それでも、サーキット用バイクとツーリング用バイクを兼用されている方はハイグリップタイヤでツーリングにもいくことになりますよね。
スペアホイールを用意できる方はツーリング用タイヤとサーキット用タイヤ、それぞれをつけかえていただくこともおすすめしますが、なかなか難しいのも現実です。
ハイグリップタイヤでツーリングされる場合「温まるまで我慢」を徹底してください。
また、場合によっては以下のことも検討していただくことも必要になります。
- 夏場のタイヤ温度が確保できる時期しか走らない
- 雨が降る可能性がある日はツーリングをあきらめる
公道でスリップ転倒する理由
公道でスリップ転倒する理由のほとんどは、油や砂の浮き、コケや枯れ葉が主原因で、タイヤのグリップ力不足によるものは非常に少ないです。
ハイグリップタイヤであれば転倒がまぬがれたのに、ツーリングタイヤを履いているがために転倒したなどということはほぼありません。
というより、そんな走り方を公道でしないでください。ツーリングタイヤでグリップ力が足りなくなるような走りをするのであればサーキットに来てください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
かとうは、こと公道においてはハイグリップタイヤは「大は小を兼ねる」的な発想はできないと考えています。
バイクのタイヤにおいても適材適所がありますので、それぞれの目的にあったタイヤを選びましょう。
また、サーキットを走る際もタイヤの温度にはよく気を付けて、温まるまで我慢の走りを徹底しましょう。
手で触って確認するのもいいですが、いちいちグローブを取るのが面倒だったり、定量的に管理したいときは放射温度計を利用することもおすすめです。
皆様の安全で快適なバイクライフをお祈りしています。