目次
はじめに
どうも、かとうです。
最近のバイクって高くないですか?
今回はどのくらい値段が上がっているのか、CBR1000RRの価格の推移をまとめました。
CBR1000RR(RR-R)の価格の推移
※複数仕様(SP等)があるときはSTD仕様を採用。塗装色で価格が違う場合高いほうを採用。ABSの有無で価格が異なるときはABSモデルを採用
2004年のCBR1000RR登場から、年次変更・モデルチェンジのたびにどんどん値段は上がっていっていることがわかります。
昔はリッターSSフラッグシップのCBR1000RRが120万円で買えていた時代があったんですね。現在から考えると驚きですが、かつてはフェラーリにも匹敵する加速を100万円そこそこの値段で手に入る、ということがバイクの魅力でもありました。
さて、2004年から見ると、現行のCBR1000RR-Rは実に倍近い値上がりをしています。
バイクが値上がりしている理由
なぜこれだけ値上がりしているかというと、以下の要因が考えられます。
- バイク人口の減少で販売台数が減少した
- 安全装備(電子制御)の進歩で開発費および原価が高騰した
- 規制対応(排ガス)で開発費および原価が高騰した
- 原料費・人件費・部品代の高騰
バイク人口の減少
バイク人口の減少としては、若者のバイク離れが叫ばれていますが、ここ35年間で二輪販売台数は1/10ほどに落ち込んでいます。この数はあくまでも原付を含む数ですので、スポーツバイクに限ればここまでは落ち込んでいないと思われますが、道の駅に行っても10代、20代のライダーってあまり見かけませんよね。
売れる台数が減ると、それだけ、一台当たりに乗ってくる生産ラインの設備費用を回収するためのコストが高くなっていきます。
安全装備(電子制御)によるコストアップ
安全装備(電子制御)の充実が価格の高騰の一因であるのは間違いなく、2010年式からABS付きモデルが追加になったときにABSなしモデルに比べてABSありのモデルは差額で16.8万円となっています。
その後も2017年にSC77にモデルチェンジされたときに、ぐっと値段があがっていますが、この時はIMUが追加になり電子制御が飛躍的に向上しました。電子制御はテスト環境からして、従来の開発とは異なるアプローチが必要となってくるため、どうしても開発費は高騰してしまいます。そのことを考えると妥当なコストアップとみることができるかもしれません。
規制強化によるコストアップ
規制の強化(排ガス規制)がコストアップ要因であることも間違いありません。Euro3は2006年スタート、Euro4が2016年スタート、Euro5が2020年スタートと、どんどん規制が厳しくなっていき、エンジン性能を向上させながら規制もクリアするということに開発者は心血を注ぐことになります。こうした開発コストや規制をクリアするための部品の追加が価格の高騰につながっています。
原料費・部品のコストアップ
原料費・部品代・人件費の高騰も一因です。二輪は当然グローバルに調達や生産を行っているので、世界規模でみたときのインフレの影響をダイレクトに受けることになります。
これからのバイクの価格
今でもCBR1000RR-Rは 240万円以上しますが、趣味に200万以上を使うのってなかなかできることじゃないですよね。 どんどん価格上昇して、買う人がどんどん減って、さらに高くなるという負のサイクルに陥らないでほしいと考えていますが、一方でこうした性能をひたすら追求したフラッグシップ機とは別に、「性能もそこそこ、価格もそこそこ」というジャンルも今後伸長しそうです。
例えば、私(かとう)としては、ひたすら性能を追い求めるわけではない新たなスポーツバイクのジャンルとして、最近発売されたアプリリアRS660やYZF-R7に注目しており、この100万円そこそこで買えるスポーツバイクが、高騰するフラッグシップ機を買えない・そこまで必要ないよという層のニーズを満たし、今後のスポーツバイクの大きな流れのひとつになっていくのではないかと思っています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。これまでのCBR1000RR(RR-R)の価格の推移をまとめてみました。
それにしても、16年で倍近い価格アップをしていることを考えると、スポーツバイクのフラッグシップの価格は2035年くらいには400万円くらいになっていそうですね。
我々のお給料もそのときまでには倍近くアップしてくれていることを祈るばかりです。
付録
調査した価格をまとめます。メーカー希望小売価格です。
発売年 | 型式 | 価格 |
2004 | SC57前期 | 1,207,500円(税抜き価格1,150,000円) |
2006 | SC57後期 | 1,239,000円(税抜き価格1,180,000円) |
2008 | SC59前期 | 1,390,000円(税抜き価格1,323,810円) 1,420,000円(税抜き価格1,352,381円)(トリコ) |
2010 | SC59前期 | <ABS無しモデル> 1,396,500円(税抜き価格1,330,000円) 1,428,000円(税抜き価格1,360,000円)(トリコロール) <ABS付きモデル> 1,564,500円(税抜き価格1,490,000円) 1,596,000円(税抜き価格1,520,000円)(トリコロール) |
2012 | SC59後期 | <ABS無しモデル> 1,396,500円(税抜き価格1,330,000円)(ヴィクトリーレッド) 1,428,000円(税抜き価格1,360,000円)(パールサンビームホワイト) <ABS付きモデル> 1,564,500円(税抜き価格1,490,000円)(ヴィクトリーレッド) 1,596,000円(税抜き価格 1,520,000円)(パールサンビームホワイト) |
2017 | SC77 | <通常モデル> 2,014,200円(税抜き価格 1,865,000円)(マットバリスティックブラックメタリック) 2,046,600円(税抜き価格 1,895,000円)(ヴィクトリーレッド) <SP仕様> 2,462,400円(税抜き価格 2,280,000円) |
2020 | SC82 | <通常モデル> 2,420,000円(税抜き価格 2,200,000円) <SP仕様> 2,783,000円(税抜き価格 2,530,000円) |
出典:HONDAプレスリリース